経済界 2007年2月20日号

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2007年2月20日号 経済界

特集 どう動く!団塊マーケット
 
 
村田氏は昨年1月に上梓した著書『団塊・シニアビジネス7つの発想転換』(ダイヤモンド社刊)で、スマートシニアの攻略ポイントを、具体例を含め紹介している。

(中略)

「この本の中で私は次の重要性を述べています。市場調査では調査会社に100%依存するのではなく、顧客の生の声を聞き届けるダイレクトチャンネルを持つこと。顧客開拓では疑似体験のステージを設けることで顧客に商品価値を納得してもらうこと。商品営業では実際の体験者にその商品の利点の語り部になってもらうこと。商品開発では顧客に使い手から担い手になってもらうこと、顧客維持では顧客の囲い込みは幻想であり、顧客にとっての駆け込み寺になること。収益向上ではひとつの消費が次の消費を喚起する収益源を2通りに設定した連結連鎖型のビジネスモデルを構築すること」

(中略)

その中でも特に多い苦戦事例は、前述したように市場をマスでとらえているのが大きな要因だ。これを言い換えれば、成功のヒントはニッチ市場に存在するということ。そして、成功しているパターンはトップが新規事業に対して強くコミットメントしている企業である。

その代表例として挙げられるのは村田氏がアメリカから日本に持ち込んだ、中高年女性をメーンターゲットにしたフィットネスクラブ「カーブス」だ。

(中略)

「既存のフィットネスクラブ運営企業は、いわゆる“業界の常識”にとらわれているため、従来型の発想を超えることがなかなかできない。だから、異業種が参入したほうが新規事業はうまくいく場合が多いのです。既存の強みは生かさなければならないが、強みが往々にして自己を制約することが多い。それを突き破るのに必要なのがトップのコミットメントなのです」

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