2013年10月2日 朝日新聞 夕刊
サービス提供者にとって重要なのは、消費者の「コト消費」機会を「モノ消費」機会につなげること
10月2日 朝日新聞 夕刊9面の「百貨店、シニア層争奪戦 休憩スペース設置・栄養相談も」と題した記事に私のコメントが引用されました。
この記事に登場する百貨店は、松坂屋上野店を筆頭に、京王百貨店、西武百貨店、高島屋、東武百貨店といったところ。少し不思議なのは、日本橋にある著名百貨店の名前が出てこないことです。
拙著「シニアシフトの衝撃」で述べているように、百貨店やスーパーなど小売業を中心に、シニアの「コト消費」に注力する企業が増えています。
「コト消費」は、モノ消費以外の目的による「時間の消費」。消費者にとっては、消費する時間が自分にとって何らかの価値があるかどうかが重要です。
一方、記事にあるような休憩スペースを置く、専任のコンシェルジュを置く、などのサービスは、消費者の「コト消費」機会を増やすことになります。
ここで商品・サービス提供者にとって重要なのは、消費者の「コト消費」機会を「モノ消費」機会につなげることです。これができないと、「コト消費」機会が単なるコスト要因になり、事業が長続きしません。
この記事で紹介されている新たな試みが半年後、1年後にどうなっているのか楽しみです。なお、私のコメントは次の通りです。
百貨店事情に詳しい東北大の村田裕之・特任教授は「団塊の世代が定年を迎え、時間と資金に余裕があるシニア層は急増している。ただ、シニアといっても色々な客層がおり、その店に合わせた店作りが重要だ」と話す。