2024年5月9日 第12回アジア太平洋高齢者ケアイノベーションアワード
世代交代が進み、新たな世代が業界のリーダー的役割に
5月9日にシンガポールの有名なホテルMarina Bay Sands併設のコンファレンス会場で開催されたアジア太平洋高齢者ケアイノベーションアワード(Asia Pacific Eldercare Innovation Awards)のGALAディナーで、2024年度の「スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家(Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur)」の表彰式に出席しました。
GALAディナーでは、イノベーションアワード受賞者の発表と表彰式がメインなのですが、その最初に呼ばれたので、少しびっくりしました。表彰式では旧知の友人で、香港の高齢者政策立案のリーダーであるDr. Lamからトロフィーを授与されました。
このイベントにリアルに参加したのは2019年以来、5年ぶり。コロナ禍を機会に世代交代が進み、新たな参加者が大半を占めていました。
2011年から参加している私にとっては、懐かしい旧友との再会と若い世代の新たな友人との出会いの場になりました。
メディアのネガティブニュースに毒されないために草の根の人との交流が重要
嬉しかったのは、旧知の友人で、香港の「文化村」という施設を経営する女性起業家Stephany Law さんが、Innovation of the year Ageing in-place Model分野で最優秀賞を受賞したことです。
香港には若手起業家の女性が多いのですが、そのうちの一人である彼女は、これまでの私の講演にも何度も参加し、「私は日本からたくさんのことを学んだ。日本に感謝したい」と常日頃言ってくれている人です。
政治体制が大きく変わり、日本のメディアで取り上げられる香港からのニュースはネガティブなものが多いですが、こうして実際に香港の高齢者向けサービスを支えている人たちと会って現地の話をすると、安心します。
日本からはissue+designの「認知症世界の歩き方」が最優秀賞を受賞。日本からも若い世代の挑戦者が増えており、今後が楽しみです。
このイベントの主催者Ageing AsiaのJanice Chiaは、かねてから「エイジングの暗いイメージを変えて、もっと魅力的にしたい」と主張しており、GALAディナーはまさにそれを体現した明るく楽しいプログラムが盛りだくさんでした。
こうしたスタイルは、日本のエイジング関連イベントでは見られることはほとんどなく、日本からの参加者は大いに刺激を受けたことと思います。
惜しむらくは、アワードのカテゴリーが5年前に比べかなり増え、表彰式が流れ作業的になった面があるので、来年以降の改善を期待したいです。
超円安時代に高い金を払って海外に行く価値は何か?
超円安で日本人が海外に出にくい環境となっています。しかし、日本の外に出ることによって、日本以外の世界の様子を肌で感じることができます。それによって、逆に日本の良さ、素晴らしさもよくわかるようになります。
高いお金を払ってハワイに行って自炊に時間を使うより、多少の参加料を払っても、今回のようなイベントに参加し、世界のいろいろな人たちと交流して、学びあう機会を得る方がはるかに有益でしょう。
ぜひ、次年度はもっと多くの日本の事業者の皆さんにも参加していただければと思います。