これだけは知らないと優良介護施設は見抜けない

日刊ゲンダイ 介護施設の見分け方 新聞・雑誌
日刊ゲンダイ 介護施設の見分け方

日刊ゲンダイ 2011年3月15日号

優良な施設を見抜けるポイントは16項目

「元気な時と不自由になった時とでは、必要なものや希望するものの優先順位が変わります。それはある程度は致し方ないこと。なので、入居する親の立場となり、将来を見越した視点からの施設探しをお薦めしたい」

こう話すのは「親が70歳を過ぎたら読む本」(ダイヤモンド社)の著者、村田裕之氏(東北大特任教授)だ。老人ホームや介護施設は玉石混淆。最低限の見学でも、優良な施設を見抜けるポイントがあるという。同氏が挙げるポイントは全16項目だ(詳細は別表の通り)。

「ひとつが、〈廊下の両側に居室が配置されているか〉。土地や物件の制約で、廊下の片側だけに配置されているケースがあります。そうすると、縦長に並ぶことになり、介護職員の控え室などからの動線が長くなる。スタッフの負担が増え、その結果、入居者に目が届きにくくなる場合も考えられます」

介護スタッフはベテランだからいいとは言い切れない。

「スタッフの通算経験年数は、長短のバランスが必要です。業界に長くいるだけの年配スタッフは、気付かないうちにおざなりなサービスをしてしまうこともある。ベテラン、中堅、若手がバランスよく勤めるホームが理想です」

そして何より、施設長との面談は欠かせない。

「施設長が優れているところは施設に活気があり、雰囲気もいい。ホームの方針や経営は、施設長の人間観や裁量でほぼ決まります。申し出ても顔を見せない施設は、論外。直接話をする機会を持ちましょう」

とはいえ、施設側は、お客さまを迎える〝よそ行き体制〟だ。

「〈この施設の課題は、何だとお考えですか?〉と質問してみる。〈特にない〉と取り繕ったり、考え込むようなら危機感に乏しい証しです」 スタッフのいないところで、実際の入居者に「居心地はどうです?」とザックバランに尋ねるのも、参考になる。

本記事で紹介されている「親が70歳を過ぎたら読む本」はこちら

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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