月刊レジャー産業資料 7月1日

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2004年7月1日  綜合ユニコム「月刊レジャー産業資料」
 
わが国レジャー・サービス企業は、遅まきながら「時間」と「お金」に余裕をもつといわれる”シニア・シルバー世代”の顧客化を図ろうと躍起になっている。

ところが、これまでそうした視点でのマーケティングを怠っていたことから、どのような商品・サービス、あるいは売り方がシニア世代に魅力的なものとして映るのか、といったノウハウがまったくといってよいほど欠けているのが現状だ。

そこで著者は、ライフスタイルや生活ニーズにわが国と共通点の多いアメリカにそのヒントを求める。

アメリカは1960年代から、いわゆる「高齢化問題」が顕在化したことで、いち早くシニアマーケットの開拓に取り組み始めたことから、日本に比べ成功事例はもちろんのこと、失敗事例も多いからである。

本書はアメリカでの成功事例を中心に構成されているが、単なる紹介ではなく、「なぜその商品・サービスがシニア市場で受け入れられているのか」「日本で導入するにはどういう改善をしなければならないか」といった部分の解説に紙幅を大きく割いているところがうれしい。

現代シニアの特徴として、筆者は本書のサブタイトルにもなっている「多様性(=diversity)」トイウキーワードを多用する。これまでの大衆社会では「大量生産→大量消費」という”マス・マーケティング”の考え方が一般的であったが、モノに満たされた現代、特にシニア世代には従来型のセールス手法は一切通用しなくなっている。つまり、個人のニーズは高度化・細分化され、シニア一人ひとりの潜在需要をくすぐる「顧客ニーズ型」の開発手法が求められている意味を「多様性」という言葉に置き換えているのだ。

シニアのニーズや消費動機がわからないという経営者には、”眼から鱗”のビジネスヒント満載の一冊である。

 

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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