新刊の森:団塊・シニアビジネス 7つの発想転換

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2006年3月27日 日経ビジネス3月27日号  

団塊世代を顧客として取り込む施策に躍起になっている企業は少なくない。しかし、シニアビジネスに詳しい著者は「誤解が生じている」と警鐘を鳴らす。

団塊世代を個々の消費行動という視座から見ると、それは決して「塊」ではなく、言わば「多様なミクロ市場の集合体」だと持論を述べる。

つまり一筋縄ではいかないということだ。多くの企業で”常道”とされているマーケティングの手法や売り方そのものが間違っていると指摘し、シニア市場に斬り込むヒントを挙げていく。

まずは市場調査の定番になりつつある「ネットアンケート」という手法について、シニアに関しては役に立たないと注意を促す。それよりも現場の販売員が記した「顧客ノート」や、顧客が綴った「ご意見はがき」などのアナログ情報を重視せよと言う。

さらにシニアは金銭的な価値よりも精神的な価値に重きを置くから「商品ではなく体験を売れ」と助言して、中高年向けパック旅行などの成功事例を示す。

また、練りに練った広告コピーよりも「商品惚れ込んだ顧客自身が『語り部』になると売れる」と言う。心の満足度を得たい顧客が「他人に自慢したくなるようなコミュニティ文化」を醸成できるような販売戦力が勝ちを呼び込むと説く。

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