2007年1月6日号 朝日新聞
beword 団塊市場
07年から団塊世代の大量定年退職が始まるとみて、その「団塊市場」をターゲットにしたサービスや商品開発に取り組む企業が増えている。しかし、お金と時間に余裕のある強大な塊が出現すると思うのは幻想にすぎない。「団塊市場」はマス・マーケットではなく、「ミクロ市場の集合体」というべきものだ。
(中略)
また、団塊世代の半分以上を占める女性は大半が結婚退職していて、子育てが一段落すると、パートや派遣で働いている。定年退職は、男性社会の色彩の強い企業社会の発想だが、シニアマーケットの主導権をとるのは女性だ。
(中略)
だから、消費者の需要を考えるときは、世代でひとくくりに扱うのでなく、ミクロな視点が必要だ。例えば、02年にアメリカで生まれた中高年女性専用のフィットネス「カーブス」は、「そんな特殊なマーケットはうまくいかない」と言われたが、14年で日本を含め世界45カ国に広がった。こんな一見「ニッチ市場」にみえるところにこそ、チャンスがある。