生活協同組合研究 2025年5月号 特集 “超々高齢社会”における生協の可能性
生協の供給高に占めるシニアの購買シェアは約65%
生協のシンクタンク、公益財団法人生協総合研究所からのご依頼で、同研究所が発行する月刊誌「生活協同組合研究」の特集「“超々高齢社会”における生協の可能性」に寄稿しました。
2024年度全国生協組合員意識調査によれば、生協組合員の構成比は60代以上のシニアが過半を占めています。またシニアほど生協の利用金額も高い傾向が見られ、結果として供給高に占めるシニアの購買シェアは約65%に達していると推計されます。
生協総合研究所は、このような状況からシニアの組合員利用の維持・促進が生協にとって肝要であると考えて、今回の特集を企画したとのことです。
私はこれまで25年以上、中高年向けのビジネスに携わり、多くの企業の新規事業開発を支援してきました。この経験にもとづき、本稿では「人生100年時代を見据えた生協の差異化戦略」を検討しました。
新規事業成功の要は、競合他社に対する差異化戦略
検討にあたり、現在の生協を取り巻く事業環境がどのような状態にあるかを、①小売業の競争激化、②物価高による利用者の低価格志向の強まり、③進行する「組合員のシニアシフト」の観点で整理しました。
この結果、生協の今後の差異化戦略は、「これまでの苦戦事例に学んで、生協が打てる手を打つ」、「生協の独自性・強みを活かし、他の小売業ではできない商品・サービスを開発する」、の二つを核にすることとしました。
前者については、これまでの小売業の苦戦事例に学ぶシニア向け対応を成功させる「5つのコツ」を述べ、生協が可能な打ち手を合わせて提案しています。
後者については、まず、改めて生協の強み・独自性を整理しました。次に、生協がこれまで取り組んでいない分野が何かを明らかにし、具体的なテーマで取り組み方の事例を述べています。
拙稿の入手方法
生協総合研究所の会員は拙稿をご覧いただけます。会員以外の方も次から入手可能です。
なお、特集のタイトルに使用されている“超々高齢社会”という言葉は、2019年に上梓した拙著「スマート・エイジング 人生100年時代を生き抜く10の秘訣」で初めて提唱したものです。
超々高齢社会の定義
