頭で儲ける時代 11月号
村田裕之
シニア市場の規模と特徴 ツボを押さえれば、お金を使う!
わが国の個人資産1400兆円の7割は50歳以上が保有するといわれている。
このため低成長時代の消費のけん引役として
シニア(50歳以上の年長者とする)の購買力
がここ数年注目されている。
確かに預金から負債を引いた賞味金融資産
でみると50歳を超えてから急に大きくなり、
65歳以上が最も大きい。
また、可処分所得でみても50代は全年齢層のなかで最も大きい。
さらに退職者には現役サラリーマンに比べて
時間にかなりの余裕がある。
しかし、シニア時代の財布のひもは意外に
固いのが現状である。
というのは保有財産の大半が消費に回らず、
貯蓄に回っているからである。
しかも、その貯蓄は最終的には遺産として
残される場合が多い。
この割合は、米国の4倍にのぼる。
従って、シニア=金余り・時間余りの消費者と
見なせるほど話は単純ではない。
とはいえ、若年層に比べてもともと資産をもており、実はそれなりのツボを押さえれば
お金を使う。そのツボとは
(1)将来不安に対する備え、
(2)自分の子・孫との関係性、
(3)自分らしい生き方の実現、を支援する商品・サービスである。
(本文より抜粋)