2004年2月1日 運輸と経済 2月号 (財)運輸調査局
村田裕之
日米ともに生活水準が高い経済先進国であり、シニア世代のレジャーに対する基本的ニーズには共通点が多い。
だが、レジャー産業先進国である米国に比べ、日本におけるシニア世代向けの旅行商品は、まだ発展途上中の感が強い。
クルーズをはじめ米国の旅行商品は、これまで日本の旅行商品にも大きく影響を及ぼしてきた。
このため、まだ日本には存在しないが、米国でシニア世代に人気の旅行商品を研究しておくことは、近未来の商品開発に大いに役立つと思われる。
全米旅行産業協会の調査によると、99年における55歳以上の旅行者は1億7,900万人にのぼる。また、AARPの01年の調査によると、55歳以上の旅行者は、他の年齢層に比べて平均3倍旅行するという。
米国の旅行市場は巨大であり、そのけん引者であるシニア層に対しても、さまざまな旅行商品が存在する。
そのなかで、日本の商品にほとんど見られない先進的な特徴は、次の6つである。
1. シニア世代の体力を考慮した「年齢限定型商品」
2. スリル満点だが安全な「ソフト・アドヴェンチャー型商品」
3. 旅行関連サービスを全て含んだ「オールインワン型商品」
4. 駆け足観光ではなく滞在生活を楽しめる「長期滞在支援型商品」
5. 明確なテーマに沿って学べる「テーマ型学習商品」
6. 大学生活を体験できる「大学体験型商品」
以下、この項目に従い、その内容を見ていく。
(本文より抜粋)