9月21日 共同通信 敬老の日に寄せて
いくつになっても日々自分の成長を実感できることが重要
共同通信から「敬老の日に寄せて」寄稿依頼があり、「自分ミッションのすすめ」というタイトルで既に全国の多くの地方紙に掲載されています。
中高年の方が退職後も前向きにセカンドキャリアを歩むためには、収入も大事ですが、いくつになっても日々自分の成長を実感できることが重要です。そのために私は「自分ミッション」を持つことをお勧めしています。
「自分ミッション」とは、それまでの「会社ミッション」に代わり、これからの人生で自分は何のために何をやるのかを定めるものです。会社中心生活が長いほど、退職後何をすればよいかわからない人が多いからです。
記事では高度成長期を担った団塊世代の典型的な会社人間の男性が、どのようにして退職後に自分ミッションを見つけ、深めていったかをお話しました。その中身に興味のある方は、以下に全文を掲載しましたのでご一読下さい。
団塊世代の会社人間の男性が、いかにして退職後に自分ミッションを見つけ、深めていったか
私が勤める東北大学は、2006年から「スマート・エイジング」と言う考え方を提唱し、民間企業との商品の共同開発や個人の健康長寿実現に役立てています。私は講演等でスマート・エイジングを「成長できる歳の取り方」と説明しています。
中高年の方が前向きにセカンドキャリアを歩むためには、収入も大事ですが、いくつになっても日々自分の成長を実感できることが重要です。そのために私は「自分ミッション」を持つことをお勧めしています。
これは、それまでの「会社ミッション」に代わり、これからの人生で自分は何のために何をやるのかを定めるものです。会社中心生活が長いほど、退職後何をすればよいかわからない人が多いからです。
65歳で定年退職した直後にお会いした安川徹さん(仮称、72歳)は、高度成長期を担った団塊世代の典型的な会社人間でした。
大手石油会社で製造から設計、人事まで幅広い業務経験がある方ですが、自分は何が得意なのかが不明確でした。このため退職後、残りの人生をどう過ごすか迷っていました。
しばらく話をしていると、彼が会社生活で学んできたことを若い世代に伝えたいことに気づきました。そこで私は「ブログ」の立ち上げを助言しました。
当時は会員制交流サイト(SNS)がまだ発展途上で、ブログでの情報発信が「知縁」(知的好奇心が結ぶ縁)作りに最も効果的だったためです。
全く経験がなかった安川さんでしたが、試行錯誤を繰り返して若者を応援するブログを立ち上げました。
当初少なかったアクセスも、相手の立場で分かりやすい表現に改善し続けた結果、徐々に増えました。すると多くの若者から「そんな話が聞きたかった」「励まされる」という声が届くようになり、一段とやる気が湧いて前向きに続くようになりました。
さらに、これを契機に彼は大学のキャリア支援の講師機会を得ました。こうして安川さんは、若者に時代を超えた普遍的なメッセージを伝えることが自分ミッションになったのです。
ブログやSNSなど自分を表現するツール習得が自分ミッションに役立つ
退職者にとってはブログやSNSなど自分を表現するツールの習得が自分ミッションの深堀に役立ちます。またインターネットなら地方でもハンディはありません。
「ウィズコロナ」の時代はオンラインで社会との接点を持ち続けるスキルが有用です。道具が意識を進化させると言います。
自分に合った情報発信ツールを徹底的に使いこなすことで自分ミッションを見つけ出し、やりがいのあるセカンドキャリアを切り開いて頂きたいと思います。