関大、老人ホームと提携 神戸に2008年 入居者に受講資格

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2006年6月22日 日本経済新聞

村田が理事長を務める財団法人社会開発研究センターが、このたび関西大学等と「カレッジリンク型老人ホーム」の運営につき提携をいたしました。 

【神戸に2008年 入居者に受講資格】

高齢者向け共同住宅の入居者が大学の講義を受けられる「カレッジリンク型老人ホーム」の建設が、関西大と財団法人社会開発研究センター(東京・港)などとの間で進んでいる。

同ホームは高齢化や生活水準の向上を背景に十年ほど前に米国で登場した。国内初の試みで、大学全入時代の新たなビジネスモデルとして注目を集めそうだ。

【全入時代に新機軸】  

関大などが建設を進めているのは、全約280戸の高齢者向け共同住宅「アンクラージュ御影」(神戸市灘区)で、2008年春に開業を予定している。

関大は入居者に聴講生などとして授業の受講資格を提供することを、施設を運営する「アンクラージュ」(兵庫県尼崎市)と契約。社会開発研究センターがカレッジリンク型老人ホームの運営ノウハウを提供する。

入居者は関大千里山キャンパス(大阪府吹田市)にある文学部の授業を現役大学生と一緒に受講できる。受講可能な講座には文学や映画論、老年学などが予定されている。キャンパスと老人ホームの間はシャトルバスを運行する予定だ。

また「アンクラージュ御影」の施設内でも関大講師らを講師に入居者向けの講座を開催する。カレッジリンク型高齢者向け住宅は1990年代後半に米国で生まれ、現在は州立フロリダ大学など約20大学が採用。高齢化や生活水準の向上を背景に関心が高まっており、約40大学が開設を計画しているという。

少子化で大学が全入時代を迎えた日本でも新たなビジネスモデルとして関心を集めているが、文部科学省大学振興課は「極めて珍しい試みで、国内での前例はない」とみている。

欧米の高齢者事情に詳しい社会開発研究センターの村田裕之理事長は「日本は07年から団塊世代が退職期を迎えるが、シニア世代に知的な刺激を提供できる環境が少ない」と指摘。「カレッジリンク型の老人ホームは知的好奇心を満足できるだけでなく、若者との交流を通じて刺激を受けて、健康を保つのにも役立つ」と強調している。

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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