ドローン 手軽に空撮、中高年夢中

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日本経済新聞夕刊 2017年11月9日 読み解き現代消費

日経夕刊の連載コラム「読み解き現代消費」に寄稿しました。この連載は連載開始から3年以上経過していますが、おかげさまで評判が良いようで、来年3月までの継続が決まっています。
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仙台市の菅村隆さん(58)は、最近週末になると自宅そばの田んぼで操縦機を操るのが楽しみだ。夢中になっているのは遠隔操作できる無人の超小型ヘリコプター「ドローン」。荷物搬送や災害対応など産業用が注目されているが、個人で楽しむ中高年男性がじわじわ増えている

昔の無線操縦飛行機との違いは、(1)高精度のカメラが付帯し動画撮影が可能(2)エンジンはなく電動モーターで駆動(3)価格が数千円から数十万円と手ごろ――などだ。

4K動画が撮影可能なカメラ付きもあり、鳥の目のように俯瞰(ふかん)した空撮や田んぼに群がる鳥や虫の連続撮影など、これまで難しかった精緻な動画撮影ができる。

宮城県栗原市の山本祐樹さん(56)は「飛んでいる鳥をドローンで追いかけながら動画を撮るのが面白い」という。

実際操縦してみると動きが精緻で安定しており、初心者でも楽しめる子供の頃、高価で買えなかった憧れの無線操縦を手に入れて童心に帰れる点が中高年男の遊び心をくすぐる

上位機種ではタブレット端末を操作し「自撮り」を楽しめる機能もある。手元から上空へと飛ばす過程を自分中心の動画に収めてくれる。

退職したシニアの半数以上が記念の旅行に行くが、私は新たな楽しみ方を提案したい。ドローンを持参し、記念写真の代わりに「記念ドローン動画」を撮りまくるのだ。

例えば、ナイアガラの滝では、人が行けない断崖絶壁を撮り、滝の前に立つ自分を上空から撮る。パリのセーヌ川でクルーズ船に乗った風景を4K動画で撮る。実際、日本人夫婦が400日間、48カ国で動画を撮った事例もあり、大変感動的だ。

映画「小さな恋のメロディ」のラストシーンで主役の2人が肩を寄せ合う姿から視界が広がる空撮シーンがある。退職記念の瞬間を空撮シーンで残すのは現代風で素敵だろう。

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この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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