介護ロボットや支援ツール拡大を この分野は日本がかなりリード

新聞・雑誌

高齢者住宅新聞 1月25日号 年頭所感

昨年に引き続いて高齢者住宅新聞のトップ挨拶に年頭所感が掲載されました。250字以内という制限がありましたので、要点のみ書きました。

ここ数年、アジアからの取材、講演依頼、コンサルティング依頼が増えています。私がアジアの高齢化関連ビジネスに直接関わるようになったのは、2008年1月シンガポールで開催されたSICEX(Silver Industry Conference and Exhibition)に基調講演者として招聘されたのがきっかけです。

このSICEXは、シンガポール政府の肝いりで開催され、建国の父である故リー・クアンユー氏も参加した大々的なものでした。以来、シンガポール、香港、台湾、韓国、中国大陸と頻繁に交流するようになりました。

一方、年明けにトランプ新大統領就任で何かと注目される米国に行く機会がありました。主な行先はシリコンバレー

90年代と2000年代には多いときはひと月に一度程度通ったことのある地です。今回はその地でシニアケアビジネスを対象とした複数のスタートアップ企業と会う機会がありました。(写真はシリコンバレーにある「コンピュータ・ミュージアム」。入口正面に「Revolution(革命)」という言葉が掲げられているのが印象的です。

スタートアップというのは、起業して1年から2年程度の起業ほやほやのベンチャー企業のことです。シリコンバレーはその名の通り、世界の半導体、コンピューター産業を生み出し、ネット時代になるとグーグルやフェイスブックといった新たな技術系ベンチャーが大きく成長した地です。

こうした背景もあり、シニア向けのスタートアップもどこかに技術を活用したものが多く見られました。流石、シリコンバレーという感じでした。

にもかかわらず、現時点では、高齢化率で米国の14%の倍近い27.3%ある日本のシニアケアビジネスに一日の長があることを感じました。

そんな思いを250字にまとめたのが、今回の年頭所感です。

****************************
今年も介護保険に頼らないシニアビジネス開拓が不可欠です。それは海外から見て日本の技術力や応用力への関心が高いからです。例えば米国では高齢化の進展により今後介護者の急速な不足が危ぶまれています。オバマケアが挫折したように米国では日本のような公的介護保険導入は普及しにくい。一方で介護者(ケアギバー)の8割がどこからも支払いを受けない状態であり、何らかの対策が必要です。その候補として、介護ロボットをはじめとする支援ツールの活用が挙げられますが、この分野は日本がかなりリードしています。


成功するシニアビジネスの教科書
高齢者住宅新聞

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

村田 裕之をフォローする
メディア新聞・雑誌
シェアする
村田裕之オフィシャルサイト
タイトルとURLをコピーしました