IDE 2007年1月号

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2007年1月号 IDE

カレッジリンク型シニア住宅創設事業の内容 河田悌一
 
 
関西大学では、文学部と財団法人社会開発研究センターおよび株式会社アンクラージュとが連携協力して、以下のような決定をした。すなわち、神戸市灘区に設置するシニア住宅(高齢者施設)「アンクラージュ御影」の入居者を対象に、施設の入居後に関西大学文学部および大学院文学研究科で、科目等履修生・聴講生・社会人学生として学ぶ「オンキャンパス・プログラム」、現地のシニア住宅内で開講される「オンコミュニティ・プログラム」を中心とする教育プログラムを提供する―――。

(中略)

今回の連携事業の特徴の一つは、協定を締結した三者が、それぞれ得意の分野を担当しながら事業全体に対してトータルな責任を共有するところにある。それぞれが、現時点で望みうる最上のパートナーを得ることができた、と判断している。

(中略)

いくたびかの苦難の時代をくぐり抜けて今を生きるシニア世代こそ、リタイア後の人生を、旅やゲートボールに興じるだけでなく、大学キャンパスを存分に利用し、若い学生とライフスタイルを共有しながら、これまでの貴重な人生経験を、将来のある若者にメッセージとして伝えてほしい。そこに生まれる世代間の交流が、高齢者の生きがいを向上させるとともに、若い学生の精神的成長を強く刺激し促すはずである。

このような、さまざまな形態の世代間交流が可能なキャンパスを創り上げることのできる大学こそ、本来的な高等教育機関として、かつまた実態のある生涯学習機関として、21世紀という知識基盤社会(knowledge-based society)の「知的ネットワーク」を主導することができるのではないだろうか。

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