読売新聞 2007年3月8日号

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2007年3月8日号 読売新聞

大学全入時代
 
今年1月26日、関西大(大阪府)のキャンパス。教員の案内で図書館や大学院棟を回る中高年グループの姿があった。同大学が生涯学習の研究機関や住宅メーカーと協力して準備する国内初の事業「カレッジリンク型シニア住宅」の体験会だ。神戸市内に建設中の高齢者向け共同住宅の入居者に、2008年度から文学部の講義や住宅への出張講義を行う。

この日参加したのは50~70歳代の男女30人。神戸市の藤本明子さん(74)は「ずっと勉強したいと思っていた」と声を弾ませた。娘2人が独立し、夫とも死別。新たな区切りを探す藤本さんは「大学での学び」に期待を寄せる。

(中略)

「高齢化社会で、大学が若者だけの通う場所のままでいいはずがない。本物の知識を求めて、様々な層の人が集う『学びの拠点』になるべきだ」。「カレッジリンク型シニア住宅」を準備する関西大の芝井敬司副学長はそう指摘している。

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