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日経MJ 2012416日号 MARKETING 底流を読む

編集委員 長田正さんのコラムに村田のコメントが引用されました。

コラムの後半部は、村田の持論である「シニアの消費は年齢ではなく、シニア特有の変化で起こる」ということをを長田さん的な表現で記述されています。以下は、その抜粋です。

以前はシニアの就労理由は『生きがい』 最近は『生活のため』という人が増えてきた

シニアの消費行動の特徴を捉えようとして、見込み違いのワナにはまることは珍しくない。例えば「時間消費型のサービスが向いている」という定説。確かに、時間の使い方は自由度が増す

しかし、暇ではない。孫の世話、親の介護、趣味、自己研さん――。現役時代にやりたくてもできなかったり我慢したりしていたネタをいくつも抱えている。それが今のシニア男性だ。

しかもシニアになって本当に引退するのか、実はあやしい。就労意欲は簡単には衰えない。

就労意欲の質も急速に変化している。シニア消費に詳しい村田裕之・村田アソシエイツ代表は「以前はシニアの就労理由は『生きがい』がほとんどだった。しかし最近は『生活のため』という人が増えてきた」と指摘する。今後はこの傾向に拍車がかかるはず。いずれ「シニア求職者」問題が深刻化するかもしれない。

シニアは最後のライフステージなので生活ぶりは安定する、という解釈も疑問だ。家族構成、友人たちとの関係、健康状態。これらの変化の兆しにさらされ、不安を増幅する。そこに経済と孤立の不安が重なる。

シニア世代は健康状態や保有資産、生活へのモチベーションなどの格差が大きい。追い打ちをかけるように目まぐるしく変化が襲うので、市場は細かいセグメントに分かれてしまう。

それでも定説を覆したところに商機は宿る。コンビニエンス性が高く人間関係の構築を支援するような、若者向けには絶えず生み出されるモノやサービスが、シニア市場では慢性的に供給不足となっている。

家計調査によるとフローの所得水準は20代に比べて60代以上の方が高く、果実は眠っている。さらに、この層を真剣に攻略するノウハウを磨くことは他の世代へのアプローチに流用できる利点もあるはずだ。

 

この記事を書いた人
村田 裕之

村田アソシエイツ株式会社代表取締役、東北大学加齢医学研究所スマート・エイジングセンター特任教授

日本の中高年向け事業開発プロデューサー、起業家、社会学者。専門は中高年を対象とした事業開発と消費行動分析、日本と諸外国の高齢社会研究、スマート・エイジング論など。

1999年に日本で初めて「アクティブシニア市場」の重要性を指摘し、情報武装した高齢者「スマートシニア」の出現を予言した。2004年に「シニアビジネス」という言葉を初めて公に提唱し、女性専用フィットネス「カーブス」の日本への紹介、NTTドコモ「らくらくホン」の商品開発支援、関西大学とのカレッジリンク型シニア住宅の創成など、950以上の企業の事業開発に携わっている。日本におけるシニアビジネス分野の第一人者として知られている。

2006年に東北大学からの依頼でスマート・エイジングのコンセプトを提唱し、2009年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センターの設立に参画。スマート・エイジング・カレッジを11年間主宰し、市民の健康リテラシーの向上とのべ406社との産学連携を推進してきた。

シンガポールに拠点を置く Asia Pacific Eldercare Innovation Awardsにより2018年5月に「Global Ageing Influencers」に、2024年5月に「Super Ageing Japan Outstanding Entrepreneur(スーパー・エイジング・ジャパン卓越起業家)」に選ばれた。

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