月刊レジャー産業資料 2005年9月号特集

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2005年9月1日 月刊レジャー産業資料 2005年9月号特集 
 
ペンシルバニア州の州都フィラデルフィアから車で2時間のところにランカスターという人口6万人の小さな町がある。そこに向かう途中は見渡す限りの広大な牧草地。アメリカが世界に冠たる農業国であることを思い出すのに十分なシーンである。長い牧草地を抜けると、別世界に突入したかのように忽然とモダンな建物群が現れる。それは、ウィローバレーと呼ばれる、80万㎡の広大な敷地に、2000戸の住居が立ち並ぶ大規模リタイアメント・コミュニティだ。

(中略)

日本では80年代から90年代に建設された有料老人ホームは、豪華絢爛な建物を風光明媚な海沿いなどの郊外に立地するケースが多かった。

しかし、こうした立地の施設では、人の賑わいから疎遠であり、社会的な孤立感が強かった。平均寿命が延び、たとえ施設に入居しているとしても、自立して生活できるうちは、よりアクティブなライフスタイルを好む人が増えてきた。

このため、近年は都心から電車で1時間以内程度の都市部に立地するケースが増えてきた。さらに、都心部そのものに介護付のシニアマンションを立てるケースも増えてきた。

その一方で都市部の一等地で施設に転用できる土地は、数が限られる。都市部近郊での開発が一段落したあとは、開発の対象を郊外へ向けざるを得なくなるだろう。

ウィローバレーは、そうした郊外型コミュニティで人を集めるために何が必要なのかを示している。日本の近未来市場を眺めるための予言的事例である。

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