アルレ スマートライフ7月号
変わりつつある高齢者の暮らし方
平均寿命が長くなり、少子化が進むにつれ、高齢者の占める割合が年々増加しています。現在の定義では高齢者とは65歳以上の人のことをいいます。
「総人口に対して高齢者が占める割合が、21%を超えると『超高齢社会』と呼びます。日本は、2016年10月1日現在26.7%と超高齢社会に突入しています」。
こう話すのは、東北大学特任教授で、高齢社会研究の第一人者である村田裕之さんです。
「ひと口に60代といっても、団塊世代(現在68~70歳)を境に違ってきます。今の60代は自分のことは自分で行う志向が強く、インターネットで情報を集め、より健康的な生活を求める傾向が強いのが特長です」と村田さん。
その言葉を裏付けるように総務庁は実際、2030年時点の約8割の高齢者は介護の必要がなく、自立的に暮らしていると予測しています。従来の社会的弱者としての高齢者のイメージは変わりつつあります。
仕事も趣味も意欲的に取り組む
高齢者=シニアではありません。また、シニアと呼ばれる人たちの年齢に明確な定義はありません。“アクティブシニア”とは村田さんが18年前に「まだ介護不要で元気なシニア」と提唱した言葉です。
最近は、自分の価値観を持ち、仕事を辞めた後も趣味や社会活動などに意欲的に取り組むアクティブシニアが増えています。こうしたシニアの新しい価値観を具現化するライフスタイルとは、どのようなものなのでしょうか。
「男女に関係なく、定年退職後も週2、3日は仕事をして社会に関わりながら、仕事以外の時間に在職中にはできなかった好きなことをするというのが理想的といわれています。」(村田さん)。
一方、専業主婦の場合は男性と異なり、子どもが自立したため、生まれた自由な時間をスポーツや旅行、習い事などの趣味にあてる人が多いそうです。
ライフステージの変化がもたらす新しい暮らし
定年や家族構成の変化を節目にライフステージも大きく変わってきます。
「ある調査によると“第二の人生を考えるときに、住まいはどこにしたいですか”という質問に、高齢者の8割が今の家に住み続けたいと答えています。ただし、仮に35歳の時に家を購入した場合、築30~35年が経過し老朽化していると考えられます。そのため同じ家に住み続けるには、リフォームも必要になってきます」(村田さん)
住宅設備の老朽化により、使い勝手が悪くなり、これからリフォームを考えている方におススメしたいのがオール電化です。
「オール電化の一番のメリットは火を使わないので火災が発生しにくいこと。安全機能が備わっているので、シニアにはより安全な暮らしができると言えましょう」と村田さん。
オール電化は、キッチンにIHクッキングヒーター、浴室やキッチンの給湯にはエコキュート、空調にはエアコンが基本。火を使わない安心感だけでなく、経済性、快適性にも優れ、操作がしやすいのが特長です。
最近ではシニアのニーズにあった家電が次々と登場しています。
「今のシニアは、リモコンや操作部分の文字を見やすく、操作が簡単なだけでなく高機能性・デザイン性を併せもつ家電を求める傾向にあります」(村田さん)。
オール電化へリフォームして、お気に入りの家電を使いながら、新たなライフステージを心身ともに充実させたいですね。