
Profile
この記事を書いた人

村田アソシエイツ株式会社 代表取締役
東北大学特任教授
村田裕之(むらた ひろゆき)
1962年新潟県生まれ。1987年東北大学大学院工学研究科修了。日本総合研究所等を経て、02年3月村田アソシエイツ株式会社設立、同社代表取締役に就任。06年2月東北大学特任教授、08年11月東北大学加齢医学研究所 特任教授、09年10月東北大学スマート・エイジング国際共同研究センター(現:加齢医学研究所スマート・エイジングセンター)特任教授に就任。わが国のシニアビジネス分野のパイオニアであり、高齢社会研究の第一人者として講演、新聞・雑誌への執筆も多数。
私は2006年に「スマート・エイジング」という考え方を東北大学で初めて提唱しました。それから20年が経ち、社会の高齢化が一段と進み、「人生100年時代」という言葉も一般化しました。
本ガイドでは、スマート・エイジングの基本概念から、アンチエイジングとの違い、人生100年時代に必要な「加齢への適応力」、そしてスマート・エイジングを実現するための「4つの条件」と「10の秘訣」までを体系的にお話しします。
Smart-Ageing
スマート・エイジングとは?意味・考え方・人生100年時代に必要な理由
私はスマート・エイジングを「エイジングによる経年変化に賢く対処し、個人・社会が知的に成熟すること」と定義しました。
スマート(Smart)とは「賢い」という意味ですので、「スマート・エイジング(Smart-Ageing)」は「賢く齢を加えていく」、つまり「人間として成長していく」という意味になります。
少し拡張した定義では、スマート・エイジングとは「個人は時間の経過とともに、たとえ高齢期になっても人間として成長でき、より賢くなれること、社会はより賢明で持続的な構造に進化すること」を意味します。
この考え方を基に、2009年10月に東北大学加齢医学研究所のもとに「スマート・エイジング国際共同研究センター」が設立されました。初代センター長は、世界的な脳トレブームの立役者で脳機能画像研究者として著名な川島隆太教授です。
同センターは2017年4月に「スマート・エイジング学際重点研究センター」に改組され、2026年4月に「加齢医学研究所スマート・エイジングセンター」に改組され、現在に至っています。
人生100年時代という現実
戦後2年後の1947年の日本人の平均寿命は、男性50.06歳、女性53.96歳で、まさに「人生50年時代」でした。私は1962年生まれの60代ですが、この時代なら平均的にはとっくにこの世を去っていました。
しかし、2024年の平均寿命は男性81.09歳、女性87.13歳(厚生労働省「令和6年簡易生命表」)で、人生の終盤までまだかなりの時間が残されている時代になりました。
平均寿命が延びたことで、100年以上生きる人の割合も増えました。100歳以上の人数は、国が表彰制度を始めた1963年には153人でしたが、2025年9月時点では9万9763人にまで増加しました(厚生労働省発表)。55年連続で増加しており、間もなく10万人を超える見込みです。
国連の定義によれば、高齢化率が21%を超えた社会を「超高齢社会(super-aged society)」と呼びます。日本はちょうど2006年から2007年の間に超高齢社会になりました。その後も高齢化は進み、2025年9月時点で65歳以上人口は3619万人、高齢化率は29.4%と過去最高を更新し続けています(総務省統計局)。
こうした背景から、自分が100年生きたいかどうかは別にして、「100年生きる可能性がある」ことを認識せざるを得なくなりました。60代の私自身もあと30年生き続ける可能性を前提に、人生設計を再構築しなければなりません。
私たちは生きている限り、必ず歳をとります。しかし、歳をとることがいいことか悪いことかを決めているのは、実は私たち自身です。そうであるならば、私たちは歳のとり方を主体的に選ぶことができるはずです。
歳をとるにつれてそのまま朽ち果てていく生き方を選ぶのか。それとも、齢を重ねるごとにより賢く輝いていく生き方を選ぶのか。私は超高齢社会・日本のできるだけ多くの人が、後者を選ぶことを希望しています。
Difference
スマート・エイジングとアンチエイジングの違いとは?
私は中高年の方を対象に講演等でお話をする機会が多くあります。その際に「アンチエイジングという言葉を聞いたことがある方、手を挙げていただけますか」と質問すると、たいてい会場のほとんどの方が手を挙げます。
次に「では、アンチエイジングとはどういう意味でしょう?」と尋ねると、「若さを保つための技術」「年をとらないための方法」という答えが返ってきます。
ところが、「アンチエイジング」という言葉の意味は、実はそうではありません。それを説明するために、そもそも「エイジング」の意味から見ていきましょう。
「アンチエイジング」は若返りではなく「死」を意味する
「エイジング」という言葉は、英語でageingと書きます。ageには「年をとる」という意味があり、ingは進行形を表します。したがって、ageingとは「年をとっていく、齢を加える」、つまり加齢するという意味です。ageingは英国式、agingは米国式の表記です。
最新の研究によれば、私たちの体は37兆個の細胞でできており、3000億個の細胞が毎日死に、代わりに新しい細胞が生まれているといわれています。この細胞の交代は、私たちの体で細胞分裂、細胞分化、細胞死という過程が繰り返されているためです。この過程は私たちが生きている限り継続されます。
この過程を通じて私たちの体は機能や形態が変化していきます。このため、この世に生まれる前の受精した瞬間からあの世に行くまで、私たちの体は、生きている限り変化し続けるわけです。つまり、エイジングとは「生き続けること」にほかなりません。
一方、「アンチ(anti-)」は否定を意味する接頭語です。したがって、anti-ageingを直訳すると「生き続けることの否定」、つまり死ぬという意味になります。「アンチエイジング」が若返るという意味だと思っていた方は、今日から認識を改めてください。
エイジングの本質は「時間とともに対象の性質が変化すること」
エイジングの本質は「時間とともに対象の性質が変化すること」です。これを「経年変化」といいます。対象は人に限らず、建築物やプラントなどのモノも対象になります。
エイジングという言葉は、これまでどちらかというと「マイナス」の側面が強調されてきました。例えば、石油化学プラントや発電プラントは、長年稼働すると回転部が摩耗し、配管などの部材が疲労や腐食を起こし脆くなります。
これは機械設備の「経年劣化」と呼ばれ、しばしば事故の原因となるため、可能な限り避けたいマイナスの対象とされてきました。
人間の体も加齢とともに膝が痛むようになったり、皮膚にしわやしみが増えたりします。体の機能変化も経年劣化とみなされ、機械設備同様にマイナスの対象とされてきたのです。
しかし、エイジングには当然「プラス」の側面もあります。バイオリンやギターなどの木製楽器は、上手な弾き手に弾き込まれると「良い音」で鳴るようになります。ストラディバリウスのような名器は、楽器そのものだけで名器になったのではありません。
名演奏家に弾き込まれることで、良い音で鳴るようになったのです。ウイスキーは樽の中で長時間寝かせることで味がまろやかになり、ワインも地下貯蔵庫で寝かせることで香り高くなっていきます。これらも「熟成」と呼ばれるエイジングのおかげです。
スマート・エイジングという加齢観
「アンチエイジング」という言葉は、もともとアメリカからやってきたものです。西洋には18世紀の産業革命以降、人間を精密機械のようにみなす価値観が根強くあります。
機械は時間が経つと錆びついたり、部品が壊れたりして老朽化していく。人間も細かい機械の塊のようなものなので、機械と同じように時間が経つと、体のあちこちに不具合が出て、老朽化していく―こういう見方が根強いのです。
ところが近年、本場アメリカでもこうした見方を見直す動きが出てきました。アメリカの女性向け美容・ファッション人気雑誌「Allure(アルーア)」は、2017年9月号で「アンチエイジングの終わり(The end of anti-aging)」と業界へ宣言しました。
アンチエイジングは特に美容・ファッション業界が先導してきた概念ですので、その業界のリーディング雑誌が「アンチエイジングをやめた」と宣言したのは画期的なことです。
私たちが提唱するスマート・エイジングは、加齢を否定するのではなく、加齢に賢く対処する考え方です。
室町時代初期の申楽(後の能楽)師、世阿弥が記した能の理論書『風姿花伝』のなかで、若さゆえの美しさや躍動感を「時分の花」、芸を磨く精進をした者だけが手にでき、生涯失われることのない魅力を「まことの花」と呼びました。
この世阿弥の言葉を借りれば、散ってしまった「時分の花」を振り返る後ろ向きの生き方ではなく、積極的に「まことの花」を咲かせようとする前向きな人生のあり方が、スマート・エイジングです。
私たちが「まことの花」を咲かせることは、年齢を重ねるにつれて物事の見方が深まり、視野が広がることで人生が豊かになっていくことを意味します。
スマート・エイジングの思想では、高齢期を「知的に成熟する人生の発展期」として積極的に受容します。これは、高齢者を社会的弱者とみなす従来の考え方に対するパラダイムシフトであると、私たちは考えています。
Adaptability
人生100年時代に必要な「加齢への適応力」とは?
人生100年時代を乗り切るためには、加齢(エイジング)に対する「適応力」が必要です。これには「身体面」の適応力と「精神面(心)」の適応力があります。これらを持つためには、遅くとも中年期から正しい生活習慣を身につけることが有用です。
50代は身体変化のターニングポイント
実は、50代は身体変化のターニングポイントです。私自身、40代まではかなり無理がきいたものでした。40代前半には8カ月間連続で毎月アメリカに出張したこともあり、しかも時差のきつい東海岸が主な場所でしたが、辛いと思ったことは一度もありませんでした。
ところが、50代になってから徐々にこうした無理がきかなくなってきました。一番変化を感じたのは「時差ボケ対応力」が落ちたことです。
さらに私の場合、56歳になる直前についに左目に不具合が出てしまい、生まれて初めて糖尿病の診断を下されました。しかも、目の不具合が分析の結果、糖尿病から来ていたことがわかり、愕然としました。
女性の場合は更年期という比較的わかりやすい転換点があります。男性は女性ほど明確な更年期がありませんが、間違いなく身体変化が起こります。このため、50代になったら40代までの生活習慣の根本的な見直しが必要なのです。
病の最大の原因は「貧困」と「無知」
黒澤明監督の名作映画『赤ひげ』には、主人公の赤ひげ医師が修行中の若手医師に対して、「病の最大の原因は『貧困』と『無知』だ」と言う場面があります。物質的に豊かになった現代の日本では「貧困」が原因で病気になる人はごくわずかです。しかし、「無知」が原因で病気になる人は現代でも大勢います。
糖尿病が生活習慣病であり、目の疾患の原因になることを、私自身、知識では十分わかっていたつもりでした。しかし、実際に自分の目に不具合が出るまで、その知識は単なる頭の中の知識であり、他人事でした。自分事として理解していなかった私は「無知」同然だったのです。
健康管理の重要性を「他人事」としてではなく「自分事」として理解し、行動に移すこと―それが加齢への適応力を身につける第一歩だと、私は身をもって痛感しました。
身体と心、両方の適応力が必要
加齢への適応力とは、身体面では「健康を維持する力」、精神面では「生き方を主体的に選び、変化に対応する力」を指します。前者は運動・栄養・睡眠などの生活習慣で支えられ、後者は目標設定や人間関係、生きがいといった内面的な要素で支えられます。
私は過去27年間、シニアビジネスの第一人者として、また高齢社会研究の専門家として、数多くの中高年の方と接してきました。とりわけ、2012年から仙台で個人を対象とした「スマート・エイジング・カレッジ」、および2014年から2023年まで東京で企業を対象とした「スマート・エイジング・カレッジ東京」を運営する立場にあり、そこでの実践を通じて、個人が加齢に対する「身体と心の適応力」を身につけるために何が必要かについて、多くの知見を得ることができました。
本ガイドでお伝えする内容は、こうした研究と実践の蓄積から導き出された、超高齢社会における中高年の「賢い」歳の重ね方の指針です。
4 Conditions
スマート・エイジングの4条件とは?
運動・認知・栄養・社会性
東北大学では、これまでの医学、心理学、社会学などの知見を統合して、心身の健康を含めて、個人が健やかで、かつ穏やかな生活を人生の晩年まで送るためには、次の4つの条件が満たされる必要があると結論づけました。
- 運動
- 認知
- 栄養
- 社会性
それぞれを順にお話しします。
運動―体を使う習慣
「運動」とは、文字どおり「体を使う習慣」です。医学には、廃用症候群や生活不活発病という言葉があります。これは寝たきりなど安静状態が長時間続くと、さまざまな心身機能が低下することを意味します。
高齢者の問題として考えられることが多いのですが、20歳前後の青年であっても、長期間にわたり寝て暮らすと、身体機能が極端に衰えることが知られています。骨折をしたことがある方は、ギプスを外した後にギプスの下の筋肉が異様に衰えているのに驚かれた経験があるはずです。
運動の大切さの研究は、中高年の健康増進のために古くからたくさん行われており、すでに私たち人類は多くの知恵を持っています。どうやって体を使えば体力の低下を防ぎ、スマート・エイジングにつながるのかは、ほぼ明らかになっています。
認知―脳を使う習慣
問題は「認知」、すなわち脳の使い方です。川島隆太教授らの研究によれば、自分が頭を使っているという感覚と、実際の脳の働きの間には乖離があることがわかっています。
涙もろくなる、キレやすくなる、もの忘れが増える、会話に「あれ」「これ」「それ」が増える―こうした加齢に伴う変化の背景には、大脳の前頭葉にある「背外側前頭前野」の機能低下があります。しかし、脳は適切に使い続ければ、年齢を問わずトレーニングによって機能を維持・改善できることが、研究で明らかになっています。
栄養―バランスのとれた食習慣
一般に壮年から中年期においては過栄養が寿命を縮め、高齢期においては低栄養が心身機能を衰弱させることが知られています。中年期と高齢期では摂るべき栄養が変わるのです。肥満や糖尿病、高血圧が常態化している人は脳卒中のリスクが高いため、糖質制限で高血糖と血糖値スパイクを抑えることが重要です。一方、高齢期は低栄養による筋肉減少(サルコペニア)に注意が必要です。適切なタンパク質摂取と筋トレを組み合わせることで、基礎代謝を維持できます。
社会性―人と関わる習慣
「社会性」とは、人と関わる機会や習慣を持ち続けることです。企業戦士が退職し、悠々自適のつもりが、これといった趣味もなく家庭の「粗大ごみ」と呼ばれるようになって数年、気がつけば認知症への坂道を一気に下っていたという話は、よく聞く話です。いつまでも社会の一員であり続けることが、総合的な作用として心身機能を高めるのです。
とはいえ、高齢になってから、いきなり新しい地域社会へ飛び込むのは容易ではありません。若いうちに、勤め先以外のところに自分の居場所を見つけることができれば理想的ですが、身を粉にして働いているとなかなかそうはいきません。
社会性については、目標設定・生活リズム・自分軸・他者貢献・好きなことへの取り組みなど、複数の観点から、本ガイドのPART 2・PART 3の各記事で扱っています。
10 Secrets
スマート・エイジングを実現する10の秘訣
スマート・エイジングの4条件を日常生活で実践するために、本ガイドでは「10の秘訣」を体系的にお話ししています。10の秘訣は、目的別に次の3つのパートに分かれています。
健康で自立して生活するための秘訣
要介護・寝たきり状態にならず、自分の力で自立して活動できる身体の健康を維持するための基本です。要介護状態になる原因の上位は脳と運動器に関わるもので、これらを健康に維持できれば、かなり多くの場合で要介護状態にならずに過ごすことができます。
元気でいきいきと過ごすための秘訣
身体の健康だけでなく、精神的にも前向きで、意欲やリズム、そして良質な睡眠を保ちながら毎日を過ごすための秘訣です。
自分らしく生きるための秘訣
人生後半の長い時間を、自分らしく、意味のあるものとして過ごすための生き方の秘訣です。
Epilogue
自分の未来は自分で決められる
未来を予測する最良の方法はそれを”つくる”こと
これからの日本や世界の高齢社会の姿はどのようなものになるのでしょうか?日本や世界の高齢社会の未来を予測する方法はないのでしょうか?私はこんな質問をときどき受けます。この質問に対する答えとして、私がいつもお伝えするのは次の言葉です。
日本語で言うと「未来を予測する最良の方法はそれをつくること」という意味です。これはアメリカ人アラン・ケイの言葉です。アップルコンピュータの創業者、スティーブ・ジョブズが最初にマッキントッシュというパーソナル・コンピューターを作りました。そのパーソナル・コンピューターという概念を考案したのがアラン・ケイです。
私たちには予測できることもありますが、実は予測できないことのほうが圧倒的に多い。2011年3月11日に、あのような巨大地震と大津波が起こることを誰が予測できたでしょうか? 地震が起こってから、ああだこうだと後講釈をする人はたくさん出てきますが、それならなぜ地震が起きる前に自分の考えを述べなかったのか、と言いたくなります。
未来は予測できない。予測できないなら、自分たちで未来をつくることが最良の予測だというこの言葉が、私は大好きです。では、私たちのより良き未来をつくるのは、いったい誰でしょうか? それは政府ではありません。政治家でもありません。行政でもありません。それは、私たち一人ひとりなのです。
医療・介護費を増やすより、「生きる意欲」をかき立てる予算を
私たち一人ひとりがスマート・エイジングを実践し、自分らしく元気にいきいきと過ごし、なるべく要介護・寝たきり状態にならなければ、医療費も介護費も少なくなります。そうすれば、私たち個人の出費が減るだけでなく、国家の出費も減ることになり、医療費や介護費の増加を理由とした増税は不要になります。
さらに、一人ひとりの気持ちが明るくなり、活動意欲が湧くと、旅行に行ったり文化的な活動をしたり、そのための靴や洋服、道具を買う、といった消費需要が新たに生まれます。その結果、経済が活性化します。
このように、一人ひとりが自分らしく元気にいきいきと過ごせるようになれば、身体面と精神面での健康が改善されるメリットだけでなく、経済面でのメリットもあるのです。言い換えれば、スマート・エイジングを実践することによって、人間が本来持っている「生きる意欲」をかき立てることが、結果として最も自然な介護予防になるのです。
ですから、これからの企業は一人ひとりの「生きる意欲」をかき立てる商品・サービス開発に注力すべきなのです。そして、政府は高齢者が増える分だけ医療・介護予算を増やすという発想ではなく、一人ひとりの「生きる意欲」をかき立てるための研究や商品・サービス開発の支援に注力すべきだと思います。
こうして心身ともに健康で活動意欲に満ちた高齢者が社会に溢れ、その元気な姿を日々目にするようになれば、次の世代も「自分たちも同じようになりたい」と見習おうとするでしょう。そうすれば、世代を超えた良い循環が社会に生まれるようになるでしょう。ここまでお読みいただいた皆さんには、本ガイドに書いてあることで一つでも良いと思ったことがあったら、すぐにでも実行していただければと思います。
よくある質問
Q人生100年時代と言われますが、人類は必ず100年生きるのですか
そうではありません。人生100年時代とは、医療の進歩や生活水準の向上により平均寿命が延び、100歳まで生きることが当たり前になる時代が到来するという近未来を予想した言葉です。
厚生労働省の令和6年(2024年)簡易生命表によると、95歳まで生きる確率は、女性が約4人に1人(25%前後)、男性が約10人に1人(10%前後)となっています。
米イリノイ大などの研究によれば、日本を含む長寿の国でこの30年、平均寿命の延びは鈍化しており、今世紀中に100歳まで生きる人の割合が女性で15%、男性で5%を超えることはないと予測しています。
Qアンチエイジングとは若返りのことだと思っていましたが間違いですか
間違いです。エイジングとは「生き続けること」を意味するので、アンチエイジングanti-ageingは「生き続けることの否定」、つまり死ぬという意味になります。
Qよくメディアで「超高齢化社会」という言葉を聞きますが、超高齢社会と高齢化社会との違いは何でしょうか
超高齢化社会という言葉は、もとの定義にはありません。これらの用語は次の国連の定義がもとになっています。
高齢化社会(ageing society):高齢化率が7%を超えた社会
高齢社会(aged society):高齢化率が14%を超えた社会
超高齢社会(super-aged society):高齢化率が21%を超えた社会
これにならうと、高齢化率が28%を超えた社会は別名称になるはずですが、その定義が存在しないため、私は便宜的に、超々高齢社会(ultra-aged society)と呼んでいます。
Q高齢化率の定義はどのようなものですか。その定義は将来も同じでしょうか
高齢化率=総人口に占める高齢者の割合で、高齢者の定義=65歳以上の人なので、高齢者の定義が変わると、高齢化率の定義も変わる可能性があります。
高齢者の定義は時代とともに変化します。50年以上前には日本における高齢者の定義は「55歳以上の人」でした。一方、働き続ける高齢者の増加など社会的変化を踏まえ、政府内では高齢者の定義を「70歳以上または75歳以上」に変更することをかなり以前から議論しています。
Q「シニア世代」という言葉もよくメディアで聞きますが、これはどのような世代でしょうか
「シニア世代」という世代は存在しません。世代とは、英語でGenerationのことで、同じ時代を生きる(生きた)人の集団のことを言います。アメリカではGeneration X、Y、ZをそれぞれX世代、Y世代、Z世代と言います。
重要なのは、特定の世代は20歳頃までに「共通の文化を体験」していることです。これを私は「世代原体験」と呼んでいます。食生活、文学、音楽、映画、漫画、テレビ番組、ファッション、スポーツ、生活環境などが世代原体験の例です。
一方、企業が名付ける「〇〇世代」には、こうした「世代原体験」がありません。メディアでよく使われる「シニア世代」という言葉は、シニア層=60歳または65歳以上の年齢層の人、と同義で使っている場合が多いです。こうした使い方は誤りです。
スマート・エイジングについてより深く知りたい方は、村田裕之の講演会をご覧ください。講演会では、さらに興味深い動画やグラフをお見せして、
秘訣を実践を交えてわかりやすくお話ししています。


