人生100年時代 海外のシニア達の働き方に学べることは?

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6月12日 NHKラジオ「Nらじセレクト」

6月12日のNHKラジオ「Nらじセレクト」で『人生100年時代 海外のシニア達の働き方に学べることは?』をテーマにお話しする機会がありました。

番組終了後、多くの方から「自分軸の話が共感した」「自分ミッションの話が特によかった。考え方にとても賛同する」などの連絡をいただきました。

いつもながら時間の制約で説明しきれなかった点について、以下にその補足をします。

アメリカでは、なぜ、どのようにして「雇用における年齢差別禁止法」が制定されたのか?

アメリカには伝統的に、年齢、性別、民族などに起因するあらゆる差別を法律によってなくそうとする文化があります。これは裏を返せば、差別意識が強いということです。

特に高齢者に対するAgeism(年齢差別主義)は、日本など東洋に比べると強い傾向にあります。背景には、西洋で起こった産業革命以来の「古くなると価値が落ちる」という機械論的社会観が強いことにあります。

この差別に対して、先頭に立って差別撤廃のための法律制定を連邦議会に働きかけたのが、当時のAmerican Association of Retired Persons(和訳名:全米退職者協会)、現AARP(エイ・エイ・アール・ピー)です。

AARPは50歳以上の会員3,900万人を持つNPOですが、「上院議員が最も恐れるロビー団体」とも言われます。

その理由は、これまで「雇用における年齢差別禁止法」をはじめ、多くの高齢者権利保護のための法律制定に影響力を発揮してきたためです。

高齢化の面では日本よりかなり若いアメリカで、こうした法律が1967年という早い段階に制定されたことには、このような背景があったのです。

参考:AARPについて

AARPが試みる「エイジテック生態系」の現状と課題
米国の50歳以上の会員約3,900万人をもつNPO、AARPがエイジテック生態系を創出しようとしている。その現状と課題をまとめた。こうした動きをよく理解しつつ、...

自分軸でやっていくのは、なかなか難しくないか?

これは西川キャスターからの質問でした。私自身も、かつては大企業の会社軸でやってきた経験もあるので、自分軸でやっていくことの大変さはよくわかります。

少し前には、元務めていた会社の社章を上着につけている人や、人前での自己紹介で「元XX株式会社監査役」など、前職時代の肩書を名乗る人を時々目にしました。

こうした人たちは、退職しても会社軸から離れられず、会社軸にしがみついて生きている人たちです。大組織での勤務年数が長いほど、会社軸から離れられない傾向が強いです。

人生100年時代、65歳で一旦定年退職しても、何らかの方法で働き続ける人が増えています。しかし、誰もがいずれ会社軸(組織軸)を離れる時がやってきます。

会社軸どっぷりで生活していると、会社軸から離れた時に軸のない「ふらふら状態」になる人、退職後に漫然と毎日を過ごす「成り行き型」の生活を送る人が結構います。

番組中に私が朝ドラ「あんぱん」の話を引用したのは、NHKラジオに出演したので、おもねったからではありません。

あんぱんの主人公、柳井崇は、自分の人生において会社軸どころか、国家軸=戦争軸で、どれだけ圧力をかけられても、決して自分軸=絵が好きで、絵を描くことを中心に生きること、を捨てなかった。

そして、晩年に花開く(番組ではこれからですが)人生を送れたのは、齢を重ねる毎に自分ミッションを深め、明確にしていったからに他ありません。

「聴き逃し」で番組が聴けます:619()午後7:55まで

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