2006年3月3日 フジサンケイ・ビジネスアイ 3月5日号 特集 団塊が考える これから
二〇〇七年を境に団塊世代が定年退職を迎える「二〇〇七年問題」に関心が集まっている。
しかし、著者は、再雇用制度の利用者が多いことや早期退職者もいるなどの理由から、「六十歳で一斉退職」という考えそのものに大きな誤解があるという点を前提に本論に入っていく。
著者は、団塊市場は「均質のマス・マーケット」と捉えるべきではなく、細かなニーズがある「多様なミクロ市場の集合体」ととらえる必要があるとの持論を展開する。
この市場動向に気づかずに、単に「シニア向け」という大枠だけでビジネス展開すると大きな壁にぶつかるということを、七つのテーマに分けて具体例とともに紹介し、解決策を提案していく。
終章においては、今後、国内でも、賢く、知的で格好よく老後を生きる「スマートシニア」層への企業の対応のあり方も指摘している。
団塊、シニア向け事業に行き詰まり感のある企業の担当者にとって、必見の書といえそうだ。