『シルバー産業新聞』
      半歩先の団塊シニアビジネス

 

究極のアンチエイジング

 
 

2011年3月10日号 第49回

村田裕之
 

最近目につくアンチエイジングと言う言葉 数年前に流行して、下火になったと思われたアンチエイジングと言う言葉を最近また目にするようになっている。

アンチエイジング(anti-aging)のもともとの意味は、「抗老化医療」のことである。しかし、近年は「老化防止」の意味で拡大解釈されて使われることが多いようだ。

私は、アンチエイジングという言葉を聞くと、ファニー・アルダン主演の映画「永遠のマリア・カラス」を思い出す。

二〇世紀最大の歌姫マリア・カラスは、一九七四年の日本公演を最後に、二度と舞台に上がらなくなった。日本公演で自身の声の衰えを痛感し、世界トップクラスのオペラ歌手としての限界を感じたからである。 カラスは舞台に上がらなくなった後、パリのアパートでひっそりと隠遁生活をしていた。そこに、かつてのプロモーターがやってきて、もう一度舞台での映像を撮り、全盛期の声をかぶせた映画を作ろうと提案をした。 つまり、最新の映像技術を駆使して、永遠に老化しないマリア・カラス=究極のアンチエイジングを実現しようという提案をしたのだ。

さんざん迷ったあげく、カラスはこの提案に乗ることにした。 映画製作の過程で、カラスはかつての情熱と輝きを取り戻していく。「永遠のマリア・カラス」と題名が付けられたこの映画の出来は素晴らしく、試写会を見た多くの人々は、口をそろえて世紀の大傑作、成功間違いなしと言った。

ところが、カラスは結局、その劇場公開に同意せず、「永遠のマリア・カラス」は幻の映画となった。 なぜ、カラスは世紀の大傑作と呼ばれた映画の公開をやめたのだろうか。

(本文より抜粋)

 

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