『シルバー産業新聞』
      半歩先の団塊シニアビジネス

 

シニア?アラカン?どっちがいい? その1

 
 

2009年7月10日号 第29回

村田裕之
 

日本では八〇年代から九〇年代まではシルバービジネス、シルバー市場、などシルバーを使う言葉が多かった。本紙の名称(シルバー産業新聞)も創刊時の時代のトレンドを反映したものと思われる。

実は「シルバービジネス」のような言葉は和製英語である。以前は日本以外では中高年市場の言葉として使われることがなかった。ところが、最近は日本以外の国で使われる頻度が増えている。

昨年私がシンガポール政府に招かれて講演した際のシンポジウムが「Silver Industry Conference: Turning Silver into Gold」(シルバー産業コンファレンス‐シルバーをゴールドに変換せよ)、ドイツ日本研究所のスタッフが編集した書籍が「The Silver Market Phenomenon」(シルバー市場現象)といった具合だ。これは日本における中高年向けビジネスが諸外国に注目されていることが原因であろう。

(中略)

実はフランクリン・ルーズベルト大統領がアメリカで初めて社会保障法を成立させるために、標準的な引退年齢を六五歳に定めた時、senior citizenという言葉を使った。これがこうした言葉の混乱を招いたのではないかと推察される。 ちなみに、日本における高齢者の定義が六五歳となっているのは、アメリカに倣ったものだ。アメリカに追随する日本政府のスタイルは、こうした点にも表れている。

以上の事情から、現在アメリカではseniorという言葉は、「社会的弱者の高齢者」というニュアンスが強い。積極的な意味で使用される頻度はかなり減っている。


 

お問い合わせはこちら

 
 
 
Copyright© Hiroyuki Murata  All Rights Reserved