『先見経済』  
    次代の成熟社会を支える スマート・エイジング・カンパニーの挑戦
             

 

第11回 小川の庄 おやきビジネス

 
 

2010年12月1日号 先見経済

 
 

地方発 超高齢社会の示唆的事業モデル

人類がこれまで経験したことのない超高齢社会の最先端を走っている日本。平均寿命世界一の日本でも、長生きすれば、誰もが幸福に暮らせるわけではない。

たとえ長生きしても健康でなければ生きることが苦痛になりかねない。たとえ健康であっても、日々の生活にお金が必要となる。先細る年金だけで果してこの先生活できるのかと不安になる。

そして、幸いにも健康にもお金にも恵まれたとしても、生きて何をするのかの「生きがい」がなければ、有り余る時間を生きていることがかえって生き地獄になりかねない。

人口わずか三千人余りの小さな過疎の村・長野県小川村にある(株)小川の庄は、こうした超高齢社会の課題解決へ大きな示唆を与える事業である。

小川の庄のメイン商品は「おやき」である。おやきとは、野沢菜やなすなどの旬の野菜や山菜を炒め、味噌や醤油で味付けし、小麦粉をこねた皮で包み、焼いたり蒸したりして食べる長野地方の郷土食である。外見は中華まんじゅうに似ているが、皮は固めで中の具はボリュームがあり、種類も豊富である。

単なる長野の田舎の郷土食だったおやきを、創業者の権田市郎が、食品加工会社で得た生産技術と販売経験、人脈を活かし、広く全国でも売れるように商品化したのである。現在では一日に二万八千個、年間六〇〇万個生産し、全国の百貨店やスーパーなどで売られるようになっている。




 

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