『先見経済』  
    親と自分の老い支度-超高齢社会のパーソナル・リスクマネジメント
             

 

第5回 認知症にまつわるトラブルを防ぐ(後篇)

 
 

2011年6月15日号 先見経済

 
 

「移行型」が望ましい任意後見契約の形態

前回ご紹介した任意後見契約には、@移行型、A将来型、B即効型、の三種類があります。最も望ましいのは@の「移行型」です。これは、次に述べる「財産管理等委任契約」とセットで任意後見契約を結ぶ方法です。

身体が不自由になり、外出が難しくなった場合も本人による財産管理が難しくなります。この場合、まだ本人の判断能力が十分あるときには、任意後見契約は発効させることができません。

そこで、本人の判断能力が十分あるときに、本人の指示に従って受任者に財産管理を代行してもらうのが財産管理等委任契約です。

@「移行型」では、本人の判断能力が十分あるうちは、財産管理等委任契約に基づいて財産管理を行ない、本人の判断能力が不十分になった時点で、任意後見契約を発効するというものです。この時点で、財産管理等委任契約から任意後見契約に移行するので「移行型」と呼ばれます。

Aの「将来型」は、任意後見契約だけを結ぶ方法です。本人の判断能力が不十分になった時点で、先に述べた手順により、家庭裁判所に申し立てを行ない、任意後見監督人を選任してもらいます。将来型の問題は、申し立てから任意後見監督人が選任されるまで数か月かかり、この間に本人が任意後見人による保護を受けられないことです。「移行型」であれば、こうした問題は起きません。

ちなみに、Bの「即効型」は、すでに判断能力が不十分になっている人が、一時的に判断能力が回復したと認められるときに任意後見契約を結び、すぐに契約を発効させる方法です。ただし、即効型は契約時の本人の判断能力に関して、後でトラブルになる可能性が大きいため、避けた方がよいでしょう

(本文より抜粋)



 

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