『先見経済』  
    団塊・シニア市場のゆくえ
             

 

多様な価値観からなるニッチ市場は「ビッグニッチ」に化ける可能性を秘めている

 
 

2009年9月1日号 先見経済

第33回 ニッチ市場を「ビッグニッチ」に変えよ
 

大企業が団塊・シニアビジネスに取り組む際の最大の壁は、経営者にマス・マーケット志向の強い人が多いことである。

一番の問題は、顧客を「大きな塊」で扱いたがることだ。このため、体力勝負志向で取り組み方が荒っぽくなる傾向がある。たとえば、すぐにマス広告(テレビコマーシャル、新聞一面広告など)を打ちたくなり、やたらと広告宣伝費をかけたがる。

ところが、これまで何度もお話ししたように、団塊・シニア市場は、マス・マーケットではなく、「多様なミクロ市場の集合体」である。このため、マス広告で実際に訴求できるのは、ターゲット顧客の一部であり、ひと昔前に比べて期待するほどの成果が上がらない。だから、このやり方はコストパフォーマンスが悪く、資金面から長続きしない。

このように顧客を「大きな塊」で扱いたがる理由は、高度成長期の成功体験が足かせになっているためだ。バラバラな小さな市場を個別に相手にするより、均質な大きな塊を相手にするほうが簡単なためだ。だから、団塊世代を「均質の大きな塊」と見てしまいがちだ。というより、「均質の大きな塊であってほしい」と、望んでいるという言い方が正しいだろう。  

さらに、こうしたマス・マーケット志向の強い経営者は、「ニッチ市場を軽んじる」傾向がある。「ニッチ市場」、つまり「すきま市場」なんて、小さすぎて、コストと手間がかかり、しょせん大きなビジネスにはなりっこない。自分の会社の取引規模だと、そんなところにエネルギーを割いても社内で相手にされない、と思っていることが多い。 業績を伸ばしている企業は「ニッチ市場」から参入している  ところが、現実に団塊・シニア市場で業績を伸ばしている企業は、多くの大企業が避けている、そうした「ニッチ市場」から参入して成長している。


(本文より抜粋)




 

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