2004年1月1日 ゼロアワーVol.52
村田裕之
アクティブシニアに向けた商業施設は、
従来の「モノ売りの場」から「機会提供の場」に変わっていく。
従来「モノ売りの場」だった商業施設は、
近年は顧客がモノを買う時の「便利さ」や
モノを活用した新しい「生活スタイル」をも
売るようになった。
この理由は、端的にいえば、
高度成長が終わり、
低成長期になったためだ。
モノが少ない貧しい時代は、
多くのモノがあるだけで価値があった。
百貨店はその典型である。
しかし、生活水準が上がり、
モノ余りの時代になると、
多くのモノがあること以外の価値が
必要になった。
それが、「便利さ」であり、
「生活スタイル」だ。
しかし、導入当初は魅力的な全国無料配達や
24時間営業といった「便利さ」も、
多くの店が横並びで提供すると、
あって当たり前の、
他店に「差別化されないためのサービス」でしかなくなる。
(本文より抜粋)