2006年2月23日 日本経済新聞 ホンのさわり
1947-49年生まれの団塊世代の最年長者が2007年に60歳を迎え一斉に定年退職すると、社会にさまざまな影響がでるのではないかと懸念される「2007年問題」が話題になっている。
だが、新規のシニアビジネスを数多く手掛けてきた事業開発プロデューサーの筆者は、早期退職や定年延長で彼らの退職時期は分散するので、それほど気にすることはないと指摘。このように団塊世代をまさに一つの塊として十把一絡げでとらえるのは間違いで、シニアビジネスの失敗例もここにあると結論付ける。
高度成長時代は均質のマス・マーケット理論が通用したが、社会の成熟化で団塊・シニア世代の消費行動が多様化した今は発想の転換が必要。
本書で描かれるシニア像は、ネットを上手に使い商品への情報感度が高い21世紀型の高齢者像で、筆者は「スマートシニア」と呼ぶ。
ビジネス書の体裁をとってはいるが、一般向けの読み物としても面白く、当の団塊・シニア世代にも参考になるだろう。