日本経済新聞 2013年11月8日朝刊
年齢・性別・公開度合いで差があるシニアのSNS利用
11月8日の日経朝刊・消費面に「シニアの財布SNSで緩む 同年代で旅行/カメラ機種競う 趣味の仲間集い奮発」という記事が掲載され、私のコメントが最後の方に引用されました。
シニアのSNS利用と言う場合、二つの点で注意が必要です。一つはシニアと一口で言っても団塊世代よりも若い65歳以下の層と以上の層とではネットの利用率にかなり差があること。
もう一つは、SNSと言っても、不特定多数が入り乱れるツイッターなどより、誰が誰なのか顔が見えるクローズドな会員制サービスの利用度が高いことです。
特にフェイスブックは、65歳以上のアクティブ利用者はまだまだ少ないですが、それよりも若い年齢層ではそれなりに利用者が存在します。特に50代では高校時代や大学時代の同級生との交流の場「ネット同窓会」が頻繁に行われる傾向が見られます。
世代特有の嗜好性の観点で見ると、40代以上に見られる「ノスタルジー消費」、50代以上に見られる「解放型消費」と似たような行動と思われます。
以下、日経新聞記事からの引用
中高年向けに同好の士が集うSNSの利用が広がっている。ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営する「趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)」の会員数は約29万人で、1年前に比べ1万人増えた。50歳以上限定とするシニアコム(東京・港)の「シニアコム.JP」も会員数は4万人で1年前に比べて1割増えた。
東北大学の村田裕之特任教授は「仕事や子育てが一段落すると、新しい経験・知識に対する意欲が高まる。いまの60代はとりわけ、その傾向が強い」と分析する。昨年の家計調査では、旅行などの教養娯楽サービスの支出額は、世帯主が60代の2人以上の世帯で月平均1万7965円。10年前に比べ6%増えた。
参考文献:シニアシフトの衝撃