2013年4月4日23:40頃 フジテレビ系列 ニュースジャパン
「退職者のための第三の場所」の本質は、会社を辞めて毎日行く所のなくなる退職者のための社会的居場所
4月4日の23:40頃からフジテレビ・ニュースジャパンに「退職者のための第三の場所」の解説で出演することになりました。(インタビュー出演)
昨年団塊世代の最年長者が65歳になったことから、再び退職者向けの新たなビジネスが注目されています。そのような動きの一つとして、退職者の時間消費ビジネスが増えています。
番組ではそうした動きに焦点をあて、いろいろな事例を取り上げますが、その共通点は「退職者のための第三の場所」です。実はこのコンセプトは、私が拙著「シニアビジネス」や講演などで10年前から提唱してきたものです。
「第三の場所」とは、もともと社会学者のレイ・オルデンバーグ(Ray Oldenburg)が、かつて自著「The Great Good Place」の中で家庭(第一の場所)でもなく、職場(第二の場所)でもない「第三の場所」が社会的に重要な機能を担っていることを指摘したことで有名になった言葉です。
この言葉を発展させ、米国のマザーカフェ・プラスにヒントを得て、「退職者のための第三の場所」が今後、広く求められていくことを提唱してきました。このコンセプトは、大きな反響を呼び、その後多くの方が、具体的なサービスに反映していきました。
しかし、拙著「シニアビジネス」でも述べたとおり、「退職者のための第三の場所」は、カフェだけが唯一の形態ではありません。「退職者のための第三の場所」の本質は、会社を辞めて毎日行く所のなくなる退職者のための社会的居場所です。したがって、カフェ以外のいろいろな形態が考えられます。
また、「退職者のための第三の場所」は時間消費の場所ですが、単にシニアが時間を消費するだけの場所をつくるだけではビジネスとして成立しにくいことに注意が必要です。この点は拙著「シニアシフトの衝撃」第6章、第7章で詳細に述べていますのでご一読いただけるとその意味がよくお分かりいただけると思います。