『りそなーれ』
         りそなゼミナール−先読みシニアマーケット
 

「ステレオタイプ」からの脱出

 
  2004年7月号 第4回
村田裕之
「ステレオタイプ(stereotype」とは、ある物事に対するお決まりの見方という意味である。日本でもアメリカでもシニア向け商品・サービスには、このステレオタイプがあふれている。

前回(6月号)取り上げたシニア向けの新業態カフェ「マザー・カフェ・プラス」の責任者、カルラ・ウインドホースト女史が、苦笑いしながら、筆者に次のように話してくれた。

「私たちは、担当の建築デザイナーに『シニアのためのスターバックス』のようなカフェを創りたい」と言いました。そうしたら、デザイナーは、車椅子の人でも食べられるような高さの低い机が多く並び、壁には多くの手すりがついたカフェの案を提出してきたのです」

また、セブン-イレブンの鈴木敏文会長は、「50代、60代女性の服を若い商品バイヤーが仕入れると、昔の老人くさい商品ばかりになる」と語っている。

一方、多くの老人ホームは、未だに部屋のレイアウトも施設の雰囲気も病院のようである。高齢者は、社会的弱者であり、保護されるべき人たちである。老人ホームは、そのような人たちが居る所だから、病院のような雰囲気で当たり前――実は、このようなステレオタイプは、老人ホームのみならず、社会の至る所に蔓延している。

モノ不足の貧しい時代は、ぜいたくは敵であり、モノがあることだけで有り難かった。だが、モノ余りの現代は、生活水準が向上し、人々のニーズは多様化・高度化しており、単にモノがあるだけでは満足しない。にもかかわらず、商品・サービス提供側に未だに多くのステレオタイプが居座っているため、顧客のニーズとのギャップが大きいものが多い。

だから、逆に、このステレオタイプにとらわれない商品・サービスが、脚光を浴びる。その一例が、シニア向け商品の通販会社「ゴールドバイオリン」だ。アメリカで影響力をもつ米国エイジング協会の2002年度ビジネス・オブ・ザ・イヤーを受賞した注目企業である。

(本文より抜粋)

 

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