しかし、冒頭に述べたように、
今後アクティブなシニアが増えていくに従い、
シニアの同好サークルが増えていくのは
確実だ。
これは前述の問題に直面する同好サークルの数も増えていくことを意味する。
それならば、同好サークルと企業との関係を
従来の「対立の関係」にするのではなく、
お互いがメリットを享受できる「ウインウインの関係」になることを 相互に目指すべきである。
この場合、特に重要なのは、
強者である企業側のスタンスだ。
つまり、連携を希望する企業は
「どうすれば自社のモノが売れるか」という
「企業の論理」を全面に出すのではなく、
「どうすればシニアの活動を応援できるか」という「シニアの論理」を尊重した 連携を心がける必要がある。
したがって、シニアの同好サークルと企業とがうまく連携するには、
まず、企業が金銭以外の何らかのメリットを提供する形で 積極的にサークル活動を応援することが重要だ。
これによって、サークル活動の本来の目的である
「参加することの楽しさ・喜び」が参加者において高まる。
企業は、これを求心力としてうまく活用することで最終的に企業のメリットに
結びつけるというモデルを考えるべきである。
このモデルは、草の根の非営利サークルと営利企業とが
「ゆるやかなアライアンス」を結ぶということだ。
従来の単なる慈善事業的な関係とは異なる「新たな関係」つくりといえる。
相手に対する信頼感を重んじるシニア世代に対しては、
単なる「金銭のリターン」より、信頼感という「評判のリターン」の方が
今後のビジネス展開においてよほど大きな意味をもつ。
シニアが望む草の根の動きを暖かく応援する。
その結果が企業のメリットにもなるということをこれからの経営者は自覚すべきであろう。
時代は「器の大きな」企業こそが成長する方向に向かっている。
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