『シルバー産業新聞』
      半歩先の団塊シニアビジネス

 

フィットネスビジネスからコミュニティビジネスへ

 
 

2010年6月10日号 第40回

村田裕之
 

当初、筆者が日本で初めてカーブスを紹介した時は、米国で元気な中高年女性向けにヒットしている新しい形態のフィットネスという位置づけだった。

日本導入後もこの位置づけは基本的に変わらないものの、新たな事業の方向性が芽生えつつある。それは、〇八年から新たにスタートした事業に「フードドライブ」だ。

これは一定期間全国の店舗をステーションにして、家庭にある食料品を集め、その地域の児童養護施設や母子生活支援施設、障害児施設などに届けるという活動だ(写真)。

これはもともとアメリカのカーブスで実施されていたものだが、三年前に日本でも取り組んだところ、会員から大変な反響があったため、毎年取り組むことになった。本年は一月から二月の一ヶ月間にカーブス会員および会員の家族、知り合いなど約五万人が参加し、缶詰やレトルト食品、乾麺、調味料、お米など約六〇トンもの食料品が集まり、全国四八一の施設・団体に進呈した。

カーブスの成功理由の一つが、「禁欲的な運動を、同じ悩みを抱えた人同士大勢で楽しくやる」というスタイルである。つまり、同じ悩みを抱えた人同士は、互いに親近感を持ちやすいのだ。このため、カーブスの各店舗は、カーブスのワークアウトを通じて健康になりたい、元気になりたいという人たちの「コミュニティ」となっている。

ただし、こうしたコミュニティでは、参加者同士の心理的距離をあまり近づけすぎると複数の「派閥」が形成され、「派閥」以外の他の会員が近づきにくくなるといった現象が容易に起こる。したがって、カーブス側でもこうした「派閥」が形成されないように、会員同士が近づきすぎず、離れすぎないよう適切に調整している。こうしたルースな関係性で結びつく「ゆるいコミュニティ」が、ネット上のSNSやツィッターなどと同様に、現代社会では受け入れられやすいといえる。

(本文より抜粋)

 

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