『シルバー産業新聞』
      半歩先の団塊シニアビジネス

 

アンチ・エイジングからスマート・エイジングへ

 
 

2010年2月10日号 第36回

村田裕之
 

アンチ・エイジングとは「生きることの否定」

日本で見られるアンチ・エイジングの概念はアメリカからの輸入である。アメリカでアンチ・エイジングという概念が生まれた背景には、人が年を取ることをネガティブなものと見なす年齢差別主義的な見方がある。これには一八世紀の産業革命以来形成された機械文明的な価値観が大きく影響している。つまり、人間の体は精密機械のようなものであり、加齢とともに身体機能が衰えるのは、性能が衰える機械設備と同様に、価値の下がるもの、避けるべきものとされてきた。

しかし、エイジングに対するこうした見方は、視野が狭い。なぜなら、人間の体は精密機械ではないばかりか、エイジングに伴い人の思考力や洞察力といった知的能力や精神的な能力が開花する可能性を見落としているからだ。

人のエイジングは受精した瞬間から命尽きるまで続く。生きている間に人の身体の性質は刻々と変化し続ける。エイジングとは生きていることの証である。

アンチとは、「否定する意味」の接頭辞である。したがって、アンチ・エイジングとは、生きていることの証であるエイジングを否定するので「死」を意味することになる。アンチ・エイジングを唱導している人の多くは、この基本的なことをご存じないようだ。

(本文より抜粋)

 

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