『シルバー産業新聞』
      半歩先の団塊シニアビジネス

 

年老いても自宅に住み続けたい人向けのサービス

 
 

2009年5月10日号 第27回

村田裕之
 

アメリカ・ボストンの市街地ビーコンヒルに「ビーコンヒル・ビレッジ」という取り組みがある。これは、高齢化した街の住民に高齢者施設で受けられるのと同様のサービスを提供しようというもので、拙著「シニアビジネス」で日本に初めて紹介したものだ。この取り組みが、 いま全米の多くの地域に広がりつつある。

(中略)

このようにビーコンヒル・ビレッジの仕組みが他地域に急速に広まっている理由はなにか。それは端的に言えば、 既存のリタイアメント・コミュニティなどの高齢者向け施設に対する不満あるいは嫌悪感だ。

こうした施設では一般に高齢者だけが集まり、 お仕着せの食事やサービスが提供される。居住スペースも自宅に比べてかなり狭く、収納スペースも少ない。 施設は確かに年齢層の近い人が大勢いて外見は楽しそうに見える。だが、施設の先住民は自分と相性の良い人だけとは限らず、施設に入居すれば相性の悪い人とも表面的に付き合わないといけない煩わしさがある。

カリフォルニア州パロアルトにあるアブニダス・ビレッジに参加する73歳の女性は「年をとってから付き合いたくない人に気を使って無理やり付き合うのは苦痛よ。そんな拘束の多いライフスタイルはご免だわ」という。

筆者が講演や著作で何度も強調しているように、シニアビジネスのヒントは、必ずこうした「不」の解消にある。

 

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