『先見経済』  
    団塊・シニア市場のゆくえ
             

 

高齢者の意志決定には家族の影響力が大きく作用することを忘れてはならない

 
 

2008年11月1日号 先見経済

第23回 高齢ドライバーの意思決定に家族がもつ可能性
 

65歳以上による交通死亡事故は、2006年に1033件(前年比14件増加)起きている。特に70歳以上で758件(同68件増)と急増し、信号を無視したり一時停止を怠ったりする場合が目立つ。事故を起こした人の中に認知症の症状を示している人が増えているのが最近の特徴だ。

実は02年の道路交通法の改正で、本人が認知症であることが分かると免許は取り消されることになっている。

ところが、その申請をするかしないかの判断は、本人や家族に委ねられているのが現状だ。

(中略)

ハートフォード・ファイナンシャル・サービス・グループでは、コーポレート・ジェロントロジー(加齢学)という部署が中心となり、マサチューセッツ工科大学などとの共同で「アルツハイマー病・認知症とクルマの運転に関するガイド」を作成している。

(中略)

認知症の症状が出たら運転に注意しなければならないことは一般論で言われる。しかし、本人や家族にとっての悩みは、いつ運転をやめるべきかの判断を「どのようにして」下せばよいかが明確でないことだ。これがしばしば家族間の諍いの原因にもなる。ガイドにはこうした諍いを避けるための実用的な指針が詳細に示してある。

(中略)

また、特筆すべきなのは「運転に関する家族との同意書」が含まれていることだ。内容は、もし、本人がクルマを運転するのが妥当でない時期が来たら、自分はクルマの運転をやめる、家族は本人の運転を禁止するための必要な措置をとってもらうことに同意するもの。契約社会・米国らしい仕組みに思えるが、実はこの同意書には法的な拘束力はない。これにサインすることをきっかけとして家族間の対話が深まることが大切なのだという。



 

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