『先見経済』  
    団塊・シニア市場のゆくえ
             

 

ビジネスの現場から生まれた「実学」としてのジェロントロジーが望まれている

 
 

2008年7月1日号 先見経済

第19回 周回遅れのランナー・日本は「老年学」の知見を取り入れるべき
 

ジェロントロジーとは英語のGerontologyのカタカナ表記で、従来「老年学」と訳されることが多い。アメリカでは、多くの大学に老年学の講座があり、老年学の学位を取得したジェロントロジストが産業界で広く活躍しており、ビジネスにその知見が深く反映されている。

これに対して日本では、大学で老年学の講座を持つのは、東京大学が寄付講座を立ち上げるまで、唯一、桜美林大学のみだった。また、ジェロントロジストの数は極めて少なく、その活躍範囲は産業界には少なく、ビジネスへの知見の反映は、ほとんどなかった。

(中略)

このようにAARPをはじめ、アメリカの多くの識者は、高齢社会の諸課題に最初に直面する日本を高齢社会の「ショーケース」と見ている。

さらに、アメリカだけでなく、世界中が高齢社会・日本に注目している。隣の韓国でも今年7月から、国による介護保険制度が始まる。この準備のためか、韓国に近い九州では、過去数年間、韓国から来客が大勢訪れ、介護施設などを見学していた。

(中略)

以上で分かるように、一見、周回遅れのランナー・日本は、実は高齢社会のフロントランナーなのである。この構造を逆手にとって、アメリカで過去研究されてきた分野にとらわれず、アメリカの研究者すら気がついていない日本独自の実用的な知見を彼らに先駆けて蓄積し、彼らに発信するのである。



 

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