連載 シニアビジネス豊国論 第三回 日本のシニアに売れれば世界に通用
 
  2010年2月16日 日経懇話会会報Vol.125
 
 
 

エヌウィック(東京・港)の「マインレット」=写真=は、世界初の重介護者向けの温水洗浄による自動排泄処理機だ。これに目をつけたデンマーク工業技術研究所が、今年の二月から導入試験を開始する。福祉先進国として知られるデンマークに実力を認められた商品なのである。

重介護者の排泄処理は、介護スタッフにとって最も負担の大きい作業の一つだ。一日6回のおむつ交換が必要で真夜中の作業も必要だ。

辛いのは介護スタッフだけではない。介護される側にも他人に下の世話を頼らざるを得ない恥じらいや負い目が重くのしかかる。この両者の負担を軽減するのがマインレットなのだ。

▼細部へのこだわりが世界をうならす

なぜ、日本発のシニア向け商品が海外で売れるのか?

第1に、生活水準が似ている国どうしは、シニアのニーズも似ている。日本のシニアが求める商品は、他国のシニアにも求められる可能性が高い。 もちろん、国が変われば文化や習慣の違いは存在するので、多少の現地化は必要だ。

だが、生活水準が同程度であるならば、日本のシニアが求めることと他国のシニアが求めることに大きな差はない。

第2に、シニア市場とは「多様性市場」であり、きめ細かな対応力が求められる。 日本の集積化技術、日本人の細やかな情緒感覚、商品改善力が発揮されやすい分野なのである。

マインレットのような商品は、排泄という生命の維持に重要で、繊細な部位を扱うがゆえに、商品の形状・材質・動作の正確さなどは「きめ細かさ」の結晶と言ってよい。こうした細部の品質にこだわる日本人の価値観が、シニア市場に合致するのである。

(本文より抜粋)

 

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