知縁、スマートシニア、アクティブシニア

「知縁」を求めてシニアが集う村
 
  2003年3月号 第2回
村田裕之
 
年450時間の講座受講が人気の「ラッセル・ビレッジ」
 

アメリカでは退職者向けに
リタイアメント・コミュニティという居住形態が
発達しており、全米で1100を超える数が
建設されている。

その中でもマサチューセッツ州ボストンに
隣接するニュートンにあるラッセル・ビレッジは、極めてユニークなものだ。

併設するラッセル・カレッジが運営する
このビレッジは、何と大学キャンパス内にある
リタイアメント・コミュニティ。

2000年5月にオープンし、
現在の入居者は210人で既に満杯。
さらに100人が入居待ちという人気ぶりだ。

このラッセル・ビレッジには、従来の
リタイアメント・コミュニティにない特長がある。

第一に、入居者に年間450時間以上の
講座受講を義務付けた全米初のリタイアメント・コミュニティであること。
この時間数はカレッジの生徒とほぼ同じ。
つまり、入居者は大学生並みに勉強する必要がある。

このような義務を設けた背景は、ラッセル・カレッジの教育方針に加えて、
土地利用の条件として生涯学習を絡めた住宅開発を
ニュートン市から強く要請されたことにある。

第二に、入居者はビレッジ独自の講座に加えて、
ラッセル・カレッジの講座にも参加できること。

たとえば「ミュージカル劇場」という講座では、
アメリカ発祥のミュージカルの芸術性について若い学生と一緒に学ぶことができる。
数あるリタイアメント・コミュニティの中で、
若い学生との世代間交流を実施している例はほとんどなく、先進的だ。

入居者は、契約の際に支払う「入居費」と
月々に支払う「月間費」、「駐車場費」を負担する。
入居費は、$217,000 〜$870,000。この費用の90%は退出時に払い戻される。
月間費は、$2,193 〜$5,376。
これらの費用に生活に必要なサービスは、ほとんど含まれる。
また、入居者どうしの交流を促すカフェテリア、プール、フィットネスジム、サロン、
ケーブルテレビ、高速ネットアクセス、市街地への交通手段などが完備されている。

入居者の年齢範囲は65歳から95歳までで、半数が4年生大学卒以上と高学歴だ。
引退前の職業は、研究者、教師、医者、弁護士、実業家が多い。
年収レベルは、いわゆるミドルアッパー層が大半だ。
入居前の居住地は70%が10マイル(16キロ)以内。
一般に、アメリカのリタイアメント・コミュニティの90%は、
入居者が入居前に30マイル以内に住んでいる。

講座内容では、コンピュータ関連、音楽(演奏ではなく、背景の分析・解釈など)、
フィットネス関連、言語、文学の人気が高い。
また、カレッジとのレベルの差はほとんどない。
したがって、予習を求められる場合も多い。また、希望により単位も取得できる。
さらに、高い専門性をもつビレッジの入居者が講師役になることも多い。

 

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