『月刊ビジネスデータ』
        村田裕之の団塊マーケットレビュー


 
団塊世代の脳と心の見えざる変化
 
  2007年10月号 第12回
村田裕之

米国ジョージ・ワシントン大学の医学者ジーン・コーエンは、35年間に3,000人以上の中高年を診療した体験をもとに、後半生の心理的発達段階が「再評価段階」「解放段階」「まとめ段階」「アンコール段階」の四つに分かれることを提唱している(拙訳『いくつになっても脳は若返る』参照)。

(中略)

たとえば、サラリーマン時代は家庭の事情や世間体を考えるとできないことがたくさんあった。それが解放段階になると、サラリーマンを辞めて沖縄に移住してダイバーになる。あるいは、20年間スーパーでレジ打ちのパートをしていた主婦がダンスの講師に転身する、といった一種の「変身」がしばしば見られる。最近、何かと話題になる熟年離婚も、実は解放段階に特徴的な行動の一つである。

(中略)

以上のとおり、中年期以降に脳の認知機能が最も高まる。これが自己解放力を生みだすもとになっていると考えられる。つまり、解放段階に特徴的に見られる行動は単なる思いつきや一時的なストレスからのものではなく、この時期の人間の脳や心理の発達がそうした行動を起こしやすくすると考えられる。このことが今後の団塊世代のライフスタイルを考察するうえできわめて重要となる。

(本文より抜粋)

 

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